初代永台と並ぶ、我が国そろばん史上屈指の名工。昭和26年雲州算盤品評会特等受賞。昭和30年皇太子殿下御成婚記念献上算盤。など、若い頃から幾多の受賞経歴。昭和51年、という職人として最も脂の乗りきった時期の秀逸品。＝初代雲文さんは、令和4（2022）年2月にご逝去されました＝
トクサ仕上げとは、枠の仕上げに塗料を使わないで、木賊（トクサ・砥草）という植物のザラザラとした表皮を使って枠の黒檀を磨き上げる事。トクサ仕上げのそろばんは、当初光沢が無く、貧相に見えるが、使い込むに従って、手の脂分が染み込み、徐々に光沢が出てくる。最高級の素材を活かす、最高級の仕上げ方法である。
備後ツゲと云われる、岩ツゲの最上級品を贅沢に使い、玉一個ごとに芯の渦が見える。このような玉は現在では入手不可。竹芯には、100年以上経た最高級煤竹（ｽｽﾀｹ）を使用し絶妙の玉の動きを保持している。